週末の自然散策 2010・7・5(月) |
雨雲がたちこめた蒸し暑さのなか、またもや双眼鏡を片手にフィールドに。
と言っても野鳥にとっては今は子育ての時期。
期待は出来る筈がないのに、折角の週末ですから何としてでも行かなければの心境。
実は一カ月半前に、震えるような感動をもって目撃した「クマゲラ」の姿。
その後あの力強いドラミングが脳裏から離れるこはありませんでした。
再びあの感動をもう一度と、同じフィールドに。
ところが出迎えてくれたのは、一羽のカラス。
執拗に私達に付き纏い威嚇するような鳴き声で騒ぎ立てます。
きっと雛が近くにいたのでしょうね。
すると今度は夫から「早く~!早く~!」と促され、足早に森の奥に。
▼やっとカラスから解放されると、林道には「富貴草」(フッキソウ)が地を這うように。
≪ツゲ科・フッキソウ属・常緑小低木≫
名の由来は、常に青々とした葉を持ち縁起が良いことから。
例年のように残雪のなかから現れる葉も光沢のある艶やかな緑。
そのような訳で、厳しい冬が終わったとき先ず勇気付けられる植物のような気がします。
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また、前回訪れた折には赤紫色の花が咲いていた「黒実の延齢草」(クロミノエンレイソウ)
▼今回その実が完熟していました。艶やかです。
北方系の花である「エンレイソウ」は、変異に富み色々なタイプがあるようです。
ミヤマエンレイソウ、アオミノエンレイソウ、シロバナノエンレイソウなどその他諸々。
ちなみに我が庭にあるのはオオバナノエンレイソウ。
いずれにしても、発芽してから開花するまで約10年も必要。
やたら気の長い話です。
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▼更に、突如目の前に現れたのは「車百合」(クルマユリ)
≪ユリ科・ユリ属≫
花の反り返りがとても綺麗でした。命名は葉が車輪のように付いているから。
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▼一方「蝦夷接骨木」(エゾニワトコ)は花が終わってやがて赤く色づく実の準備でした。
≪スイカズラ科・ニワトコ属≫
ニワトコの命名は、骨折した時の薬として利用されたことから。
何でも薬草になるものですね。
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▼次は「瓜の木」(ウリノキ)
≪ウリノキ科・ウリノキ属≫
林道沿いによく見られる植物です。葉の形が瓜に似ていることからの命名。
▼そのウリノキが、丁度開花しているものを見つけました。
花弁がクルリと巻きあげて咲く様子は面白く、とても綺麗。
自然のなかで誰にも見てもらうこともなく咲き終わることもあるのでしょうね。
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▼そして次は「生馬」(イケマ)。他の植物に絡むツル性多年草。
≪ガガイモ科・イケマ属≫
▼このイケマは、これから白い花を咲かせます。
この頃、遠くで聞こえていた雷が次第に近づき、いつ雨に見舞われてもおかしくない状態。
そのうえ風も出てきたと思ったら、空から緑色のものが落ちて来ます。
初め葉っぱかと思っていましたら、何と大きな毛虫が四方八方からパラパラと。
毛むくじゃらの綺麗な毛虫でしたが、やっぱり毛虫は気持ち悪いもの。
自分でも信じられないほどの超特急で走り抜けましたよ。
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・・(話はまだ続きます)・・
毛虫の災難から逃れ、走り抜けたところに広がっていたのは沼。
▼水面には「菱」(ヒシ)がびっしりと浮かんでいます。
≪ヒシ科・ヒシ属・一年草の水生植物≫
水鳥がこの実を好んで食べます。
特に「ヒシクイ」と呼ばれる水鳥は、このヒシの実が実る頃にやって来る渡り鳥です。
▼そして沼のほとりには「寒枯藺」(カンガレイ)が彩りを添えていました。
≪カヤツリグサ科・ホタルイ属≫
▼水田の雑草だそうですが、穂の形も面白いものです。
また、冬に立ち枯れた茎が残るのが名前の由来だそうです。
この日はカラスに脅され、雷鳴にもおののき、また毛虫の襲来のなかを逃げるなど散々。
それでも上手くしたもので帰宅の車に乗ったころでやっと激しい雨。セーフ。
そうそう目的の野鳥は、ツツドリ・キジバト・カワラヒワ・ハシフトガラ・エゾセンニュウなど。
この時期にウグイスの声が聞かれなかったことは珍しいことです。
やはりどの鳥も子育ての真最中なのでしょうか。
よく見るといろんな発見があるものですね,
カンガレイなどは見覚えがありそう〜〜菱も近くの沼にありそうで・・
クマゲラのドラミングってどんなんでしょうね。
今日も小雨のなか大小の見慣れない野鳥たちに会いましたが今は子育て中でって見ないのが普通なんでしょうか?
素人ですね(笑)
お早うございます。今回は物好き夫婦の珍道中でした(笑)
普段は何気なく見逃してしまうような草花も、一つひとつ焦点を当てると面白いものです。そう、カンガレイやヒシなどもよく見掛けますね。
また、クマゲラはカラス大の黒い啄木鳥です。
北海道や東北の山に棲息し、なかなかお目に掛かるのは難しい鳥。
私はそのクマゲラの巣穴を以前に2度ばかり見たことはありますが・・
今春に偶然に遭遇したときは、静まりかえった森のなかを、
「キョーン、キョーン」と響き渡らせ、ときには地鳴きも交えてのものでした。
ところが黒い身体ゆえに声はすれども姿を確認するには難しい。
やっと見つけたときの興奮は言葉にならない程でしたよ。
上高地での山野草は北海道と時期が同じようでしたね。
どれも自然のなかで咲く花は、慎ましやかでありながら光り輝いていますね。
その辺が今の山野草ブームを盛り立てているのかも知れませんね。
hiroさんの地は、あの高尾山があり私にすると羨ましい限りです。
鳥も恋の季節が終わると今度は子育ての季節です。
微笑ましいものですね。
カラスも然りですよね。
あ、そういえばカラスの子供って親と同じくらい大きいのですよ。
でも、親に甘える仕草はやっぱり可愛いものです!
そこにあっていて、生き延びたものしかないのだから当然でしょうか・・(^-^)
鳥もこのあたりは子育ても終わってしまったようです。鳥の巣立ちはあっけないものですね
人間は長~く子育てするから、からの巣症候群になるのね~
自然のなかでは自分の居場所を自分で選択する。
だから、より相応しく美しく咲けるのでしょうね。
また「空の巣症候群」、確かに子育ての終わった年代によく見られますね。
考えると贅沢な悩みのような気もしますね。