優曇華の花 2006・7・11 |
そして、いま庭には「クサカゲロウ」の成虫が飛び交っている。
それは、バラたちに再び群がっているアブラムシがお目当てなのである。
クサカゲロウについてはこのブログで何度も取り上げてきたとおり、複眼が虹色に輝き、体や羽脈が緑色で羽が透明な美しいレースウィングと呼ばれる昆虫である。
ただ、漢字で表すと「草蜻蛉」とばかり考えていたが、実際は捕えると悪臭を放つため「臭カゲロウ」が名の由来ということである。ちょっと幻滅。
写真はその「クサカゲロウ」がバラの葉の裏に卵を産みつけたもの。
1cm位の長さの糸のようなものの先に小さい楕円形をした卵がついている。幼虫が孵化すると卵の殻だけが残り、それが白く小さく儚げに揺れる。そこで「優曇華の花(うどんげのはな)」 と呼ばれている。優曇華とは、仏教の話に出てくる空想の花で三千年に一度花開くと言われており、滅多にない例えとなっているが、極楽には咲いているという話もあり、この卵の残骸の儚げなさまに優曇華の花とはこういうものではないかと昔の人がイメージして定着した呼び名のようである。
庭に佇んでいると、花はもとより様々な生き物の世界が広がっており、そこにはロマンもいっぱい溢れている。