森林公園を歩いて~ツチアケビ 2008・9・24(水) |
札幌はこのところ雨が少なく森林の中は乾操気味。頭上からはカラカラに乾いた枝が、ときたま折れ落ちてきます。その枝を手にのんびりと歩きます。
花の終わった「キンミズヒキ」(金水引)は今やびっしり実をつけ、私たちが近づくにつれその実を付着させようと虎視眈眈と狙っているかのようです。ひっつき虫と呼ばれ衣服や動物について運ばせることにより種族繁栄を計るしたたかさですね。
ちなみに、帰宅してみると夫のズボンには数多く付着しているのに対し、私の衣服には皆無。どうも私は非協力的であったようです。
また、野を歩くたびに何故か魅かれてしまう「ヤブマオ」(藪芋麻)。
小さな花が密集して咲きながら、全体的に緑で統一されているため地味そのもの。
最近では雑草として扱われるだけではなく花粉症の原因として嫌われているようですね。
私としては辛いところです。
そうこうして進んで行くと道沿いに異様なものが。
これは何だろうと恐る恐る近づいて見ると、花も咲いていましたから植物のようです。
帰宅後に早速調べてみたところ、この植物は「ツチアケビ」(土通草)。
茸のナラタケの菌類から養分を貰い育ち、しかも葉緑素のない腐生植物とのこと。
ですから葉はありません。
≪ラン科・ツチアケビ属・多年草≫
ぶらさがっている赤いバナナ状の肉質のものは花後の果実。
この果実がアケビに似ていることと、地面から直接生えることにより「ツチアケビ」の命名が。それにしても、一度見たら忘れることが出来ないほど世にも不思議な姿です。
また、薄暗い林の中では群生することもなく孤立して咲く数少ない植物のようです。
幾つか咲き残っていた花を見ると、ラン科らしくシンビジュウムを思わせます。
このツチアケビは、札幌市内ではこの森林公園のみに記録があり、分布としてもここが北限であろうと言われているそうです。私としては何度も足を運んでいる森林公園でありながら初対面の植物でした。これからは、発芽から開花そして今回のような果実の姿までの一連を観察をする楽しみがひとつ増えました。
最後に森の掃除屋さんと呼ばれる「ザトウムシ」(座頭虫)がおまけです。
目はあるものの盲目に近く、微かな明暗を頼りに行動することからこの名があります。
最初見たときは蜘蛛かと思いましたが、頭胸部と腹部がひとつに繋がっているため蜘蛛の仲間には入れてもらえません。また、長い脚に比べ小さな体は光沢がありなかなか綺麗です。少しちょっかいを掛けたところ、逃げ足の早いことといったら滑稽なほどでした。
キン水引の実が、いのこずちのように服に付くとはしりませんでした。植物の知恵に脱帽ですね。
ツチアケビを見つけたときは、あまりにもの異様さに
驚きましたが、だんだん可愛らしく思うようになりました。
この地球上には様々の生物が命を謳歌しているのですね♪
また、種族保存のための工夫も理にかなっています。
それに比べ人間は何をしているのでしょうね(笑)
なんか 美味しそう・・あはははは!
このツチアケビ、赤いバナナのようであるし又フランクフルトソーセージの
ようでもあるし、いずれにしても食べ物を連想してしまいますね(笑)
でも、一面の緑の中では不思議な植物だと思いました。