定山渓散策 2009・10・18(日) |
久し振りの好天に恵まれ急遽出掛けた先は、札幌の奥座敷と呼ばれる「定山渓温泉」。
日帰り温泉も兼ねた紅葉の見納めが目的でした。
札幌に住む私にとっては当たり前のような身近な温泉。
それでも自宅からは約1時間。市内を流れる豊平川上流の川底から温泉が湧き、その川沿いに温泉街が広がっています。
さすがに山あいですから峡谷も見事。
次の写真は、この定山渓温泉の開祖である修験僧「美泉定山」の像。
まだ北海道の開拓時代、案内のアイヌ人から傷ついた鹿が湯あみしている話を聞いた定山は、それから温泉開発に取り掛かったとのこと。
と言っても、まだ道もない山間の地ゆえに多くの辛苦があったようです。
そうした先人の努力の積み重ねにより現在の賑やかな温泉街までに。
その定山の像の側には、遅咲きの萩が寄り添うように咲いていました。
人混みで賑わう温泉街をあとにして私達が向かった先は川辺の自然散策路。
「かっぱ渕」なるプレートがありますね。
それはこの温泉地にはかねてより河童伝説が語り継がれているため。
すっかりマスコットになっている河童が各所に登場してきます。
数多い河童の彫像の一部。愛らしい様々の表情がありました。
吊り橋も渡りました。
一見しっかりとした骨組みなのでスタスタと進むと、やっぱり揺れています。
渡り終わってからもまだ体が揺れているような~(笑)
この吊り橋から見下ろした豊平川上流。
更に上には豊平峡ダムがあり、放水があると一杯になり警報が鳴るそうです。
人で賑わっていた温泉街に比べ、散策路はひっそり。
色鮮やかな錦絵が私達を出迎えてくれました。
真っ赤な紅葉は、アントシアンの色素。
そして、黄色に染まるのは、葉の中のカロチノイドの色素が表に現れてくるため。
では、次の黄と赤の混色は?
また、秋の陽に照らされたススキが風になびき。
かさかさの落ち葉を踏みしめて川沿いの散策路を進みます。
すると、周りの紅葉ぶりに呼応するようにチョウまでが錦色。
シータテハですね。
そして、少し広がった林にかかると急に野鳥の囀りが四方八方から。
遠くにキジバトの鳴き声を耳にしながら、上を見上げるとシマエナガ・ヤマガラ・ゴジュウカラなどが飛び交っています。大喜びの夫。暫しここで野鳥と戯れる幸せなひととき。
ふと足もとに目を移すと、そこには「オオウバユリ」の実が大きく開いた状態。
ひとつの実には500個くらいの種が入っていますが既に跡形もなし。
子孫を残すために飛び出していったようです。
けれども次の花に会えるのは10年後くらい先のこと。気の長い話です。
そうそう、川の向こう岸まで倒木が横たわっている光景に出くわしました。
面白いねえ~!と、ここでも暫し時間を。
よく見ると木肌はツルツル。これじゃ人間は渡れない。
これはきっと動物のための橋に違いない。じゃ~何の動物?
いい年をした老夫婦が幼い子供のような想像を。ちょっと恥ずかしい。
日帰り入浴をさせてもらったホテルの方のお話では、季節によっては山野草も楽しめるとか。私達にとって新しい楽しみ場所がまたひとつ増えました。