五月の風のなかを~その2 2010・5・23(日) |
▼森の中に入ると必ずと言ってよいほど出会うものに「マムシグサ」(蝮草)があります。
茎の模様が毒蛇のマムシのようであることからの命名。
北海道のものはコウライナンテンショウ(高麗南天星)と呼ばれる型。
秋の真っ赤な実を付けた異様なさまには一瞬驚かされますが、春の芽出しは可愛いもの。
苞葉にくるまれた「つの」のような芽が伸び、苞葉のすきまから2枚の葉と花序が展開してきます。
▼次も林内で群生していたユリ科の「ホウチャクソウ」(宝鐸草)。
白と緑のグラデーションを織り成し、ぶら下った花芽が不思議な雰囲気です。
▼森の中ですから、「ぜんまい」もありました。
春の山菜を代表する食べ物ですが、これは食用にするには伸び過ぎていますね。
でも同じような巻き方で同じ方向を向いている様子は、仲良し三姉妹のようです。
▼歩き進んで行くと、突然目の前に沼が広がりました。
木々の根元、沼のほとりにある黄色の一帯は何だと思いますか?
側に近づいてみると、湿地に生息する「ネコノメソウ」(猫目草)でした。
この植物も、私にとってはとても好きなひとつです。
今までも水辺で見掛けることはあっても、これほどの群生を目にするのは初めて。
夫が言うには、『家の庭にあるユーフォルビアに似ているね~!』
花の名前に無頓着な夫も、いつの間にかユーフォルビアの名前を覚えていたようです。
▼沼の中央には睡蓮が浮かんでいましたが、手前の水の中には「ミツガシワ」(三柏)。
太い根茎が沼底を這い群生しています。
水上に出ている花茎には、まだ固い蕾が。開花はまだ先のようです。
▼そして最後も水辺の植物。
お馴染みキンポウゲ科の「エゾノリュウキンカ」(蝦夷立金花)。
雪解けとともに沢に入ると、目の覚めるような艶やかな花を咲かせているものです。
またその頃の食用としては柔らかく甘くて絶品。
花を愛でるときはエゾノリュウキンカと呼び、食用の際は「ヤチブキ」と呼ぶことが多いようです。今回はいずれも盛りを過ぎていて残念。
今回は山野草は勿論のこと、鳥見においても私達にとっては中身の濃いものでした。
この先は季節を変え、再び訪れることを楽しみにしていたいと思います。
蝮草,少しこわいような,山野草も鳥同様奥が深そうですね。
わたしもたまにはタケノコ取りなどで山に入ることがありますが・・
変わった植物を目にします。名前までは解りませんが,興味をもってみると面白いのかも知れませんね。
それにしても凄い知識ですね。^^
マイナスイオンいっぱいの自然では五感も刺激され
身体も快調になるような気がします。
ストレスの多い現代社会では一番の薬かも知れません。
山野草のことは好きで歩いている内に自然に覚えてきました。
最初の頃は何も分かりませんでしたよ。
写真を見てるだけでも新たな発見があります。
マムシグサはいつもの異様な姿が焼きついてるので
芽出しの状態だったら気が付かないかも・・
クルッと回っているぜんまいも伸びてくると
こんな風になるんですね。
当たり前のことですが植物たちも日々、変化しているのですね。
自然の中で日々変化する植物たちです。
マムシグサも芽出しの初々しさがあっても、
特徴ある蛇模様を失わない点は滑稽です。
その他の植物たちも全てが自分の居場所にゆったりと定着。
それらが不思議と調和が取れていることも、自然がなせる技と感心するばかりでした。
春の山野草を待っていた私としては、この日は楽しい一日でした。
驚いたことは蝉の抜け殻を沢山見たこと。
恐らく昨夏のものでしょうが、雪に埋もれてそのままチルドされていたようです。